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外部サービス連携アプリ開発の落とし穴 〜「スクレイピングすれば取れるでしょ?」の前に考えるべきこと〜

最近、「外部サービスからデータを取得して、ユーザー向けにダッシュボード表示するアプリを作りたい」という相談が増えています。

たとえば──

  • 社外のWebサービスA・B・Cからデータを取得して、一元管理したい
  • 外部システムの管理画面に毎回ログインするのは面倒なので、自動でまとめて表示できるUIを作りたい

構想としてはシンプルで魅力的です。

しかし、この手の「外部サービス連携型アプリ開発」には、必ずといっていいほど見落とされがちなポイントがあります。


「スクレイピングで取ればいいのでは?」──その一言が一番危険

資料の中に「APIまたはスクレイピングでデータ収集」と書かれていることがありますが、開発を依頼する側としては、以下の確認が取れないと設計に入れません。


✅ 発注時に必ず確認すべきポイント(QAリスト)

  • 対象サービスのAPI仕様は公開されているか?
     仕様書の共有やテスト用アカウントは提供可能でしょうか?
  • APIがない場合、スクレイピングは規約的に許容されるか?
     アクセス頻度制限・Bot対策・WAFによる遮断リスクなどは確認済みですか?
  • アクセスは「共通アカウント」で行う想定か、「ユーザー個別認証(OAuth等)」か?
     ユーザーの同意・権限移譲はどのレベルで必要と考えていますか?
  • データ収集方式の選定基準(安定性・更新頻度・運用コストなど)は整理されていますか?
  • 取得したデータはアプリ側で保存する想定か?保存期間や削除ポリシーはありますか?

スムーズな開発の鍵は「技術」ではなく「事前合意」

外部サービス連携型のアプリ開発は、「技術的にできるかどうか」よりも**「権利的・運用的にやってよいか」**のほうが重要です。

最初の段階でここを曖昧にしたまま開発に入ってしまうと、

✅ 「ローンチ直後にアクセス遮断される」
✅ 「規約違反と判断されて機能停止せざるを得ない」
✅ 「ユーザーからの同意取得が後付けになってトラブルになる」

といった事態に陥りがちです。


まとめ:スクレイピングよりも「前提条件の整理」が先

「まずUIを作ろう」「まずPoCを回そう」ではなく、

✅ どの方式で、どの頻度で、どの認証でデータを取得するのか?

この部分の認識を揃えてから着手することが、最も効率的なプロジェクトの進め方です。

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